ごきげんよう! 冬美姐さんです。
ホルモンは私たちの体に欠かせない大切な働きを持っています。
究極の若返りホルモンであるDHEAや何役もこなしてくれる成長ホルモン、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを含めて、こうしたホルモンの原料になるのがアミノ酸やコレステロールです。アミノ酸は食品中のたんぱく質、コレステロールは脂質が体内で代謝されてできます。
毎日口にする食べ物がホルモンの材料になるって考えたことがありますか?
ホルモンを増やす栄養素や食品ってどんなものなのか知っていますか?
ホルモンは心と体に活力を与えてくれる大切な存在です。
更年期からアフター更年期へと移り変わっていく年代の女性は特に、ホルモンの分泌を整える食事を意識して摂取していかないと女性としての輝きを失ってしまいかねません。
ホルモンが分泌されるために摂りたい栄養素や食品について探っていきましょう。
目次
良質のたんぱく質の摂取を心がけよう
たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あり、そのうちの9種類は体内で生成できないので食品から摂る必要があります。これを必須アミノ酸といいます。
9種の必須アミノ酸すべてをバランスよく摂ることが理想ですがバランス度は「必須アミノ酸スコア」が目安になります。
アミノ酸スコアとは
タンパク質の栄養価を示す指標を「アミノ酸スコア」と呼びます。
タンパク質を構成するアミノ酸は、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区分されています。そして、体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸はそれぞれ必要量が提唱されています。
食品に含まれている必須アミノ酸がどれくらい満たされているかでアミノ酸スコアは算出されます。100に近い数値であるほど理想的です。
アミノ酸スコアはそれぞれのバランスがとても重要です。
9種類の必須アミノ酸のすべてがバランスよく含まれていることでアミノ酸スコアは高くなり、体内で十分なタンパク質が生成されるのです。引用元:http://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry37/
代表的なアミノ酸スコア
食品 | スコア | 食品 | スコア |
豚肉(ロース) | 100 | 精白米 | 61 |
あじ(生) | 100 | じゃがいも | 73 |
鶏卵 | 100 | キャベツ | 53 |
牛乳 | 100 | トマト | 51 |
大豆 | 100 | りんご | 56 |
参照元:http://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry37/
必須アミノ酸は体の中で「タンパク質」を作るために欠かせない栄養素です。タンパク質は筋肉や皮膚、髪の毛や骨、内臓など体の材料となるので必須アミノ酸を十分に摂ることが大切になります。
<必須アミノ酸を含むタンパク質>
大豆、卵、魚類、肉類など
大豆を筆頭にほとんどが必須アミノ酸スコア満点の100です。
大豆の成分、大豆イソフラボンには女性ホルモン「エストロゲン」と似た作用があり大豆、大豆製品は特におすすめです。
<必須アミノ酸を含む野菜>
里芋、ブロッコリー、じゃがいもなど
野菜にも必須アミノ酸が含まれていて里芋は必須アミノ酸スコアが84、ブロッコリーが80、じゃがいもは73です。お米も野菜の仲間で精白米の必須アミノ酸スコアは61ですが肉料理や卵、納豆と組合せると高くなります。
脂質は善玉コレステロールの摂取を心がけよう
コレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがありますが、実はどちらも体に必要な脂質です。
悪玉などというといかにも悪者の様に思われがちですが、悪玉コレステロールも正常値であれば悪玉ではなく、増えすぎた場合に困るということのようです。
食品から摂取する脂質には飽和脂肪酸(悪玉コレステロールを増やす)と不飽和脂肪酸(悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす)があり、不飽和脂肪酸が多めの食品は血液をサラサラにしてくれることが期待できます。
代表的な不飽和脂肪酸はアルファリノレン酸とオメガ3系ですが、体にいいとよく聞くEPA、DHAはオメガ3系の脂質です。
<EPA、DHAが豊富な食品>
アジ、サンマ、マグロなどの青魚
オメガ3系の脂質でアジ、サンマ、サバ、マグロ、カツオなどの青魚に多く含まれます。
DHAには、物忘れやうつの症状の対策が期待でき美肌を保つ手助けもしてくれます。
<オメガ3系の野菜類>
緑黄色野菜、豆類、くるみなど
青魚の他にオメガ3系が多い食品です。
<サラサラ系の調理油>
オリーブ油、キャノーラ油、えごま油など
常温で固まらないのがサラサラ系の油です。他にもアマニ油、シソ油などがあります。
バターやラード、肉の脂身などの動物性脂肪は常温で固まる飽和脂肪酸なのでできるだけ控えたほうがよさそうです。
<悪玉コレステロールを減らす食品>
大豆、青い野菜(ブロッコリー、キャベツなど)
大豆には悪玉コレステロールを減らす働きがあり、ほうれん草など青い野菜には悪玉コレステロールを減らす天然アミノ酸が豊富に含まれています。
<食物繊維が豊富な食品>
野菜、海草、きのこなど
食物繊維は胃で消化されにくく、腸に届いてコレステロールを体の外に排出する働きをします。玄米などの未精製の穀類にも多く含まれます。
ホルモンを増やす主な栄養素と食品
ホルモンの分泌には食品に含まれる栄養素が関係しているといわれています。
DHEAを増やす
食事でDHEAを増やしたいときは、自然薯、長芋、大和芋がおすすめですが、中でも特に自然薯がおすすめです。
ヤマノイモにはDHEAの他にビタミンC,ビタミンE、亜鉛が含まれますが自然薯が一番多く含まれているからです。
生で食べても蒸しても炒めても、どんな調理法でもおいしくいただけます。
他には納豆、黒豆、アボガド、魚介類にもDHEAは多く含まれますが、カフェインやアルコールをとりすぎると、DHEAの分泌が抑えられてしまうので注意したいところです。
成長ホルモンを増やす
アミノ酸のアルギニンとオルニチンには成長ホルモンの分泌を促す作用があることがわかっています。
アルギニンには冷え性の緩和と肌の潤いを保たせる作用があり、女性にはうれしい働きをしてくれます。
オルチニンは細胞の生まれ変わりである新陳代謝を活発にする作用があります。肌の新陳代謝も助け、疲労回復、ストレスの軽減にも一役買ってくれ、心のリラックスをも導いてくれることが期待できます。
<アルギニンを増やす食品>
大豆、大豆製品、肉類
成長ホルモンは夜間の睡眠中に分泌されるので寝る少し前に豆乳を飲むのもいいと思います。
<オルチニンを増やす食品>
シジミ、きのこ類、マグロなど
オルチニンを多く含む食品は何と言ってもシジミです。二日酔い対策のサプリメントとしてもよく知られていますよね。
他には、味噌、ヨーグルト、チーズ、エリンギなどにも含まれています。
メラトニン、セロトニンを増やす
セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸を材料に作られ、トリプトファンのおかげでセロトニンができるとセロトニンを材料にメラトニンが産生されます。
つまり、体内にトリプトファンが十分にないと、セロトニンもメラトニンもスムーズに分泌されにくくなるということです。
<トリプトファンを多く含む食品>
大豆、大豆製品、魚、肉、バナナなど
特にカツオにはトリプトファンの合成に欠かせないビタミンB6も豊富なのでおすすめです。
他には、牛乳、プロセスチーズ、そば、たらこ、くるみやアーモンドにも豊富に含まれています。
<ビタミンB6が多い食品>
大豆、大豆製品、ニンニク、カツオ、バナナなど
トリプトファンが合成されるにはビタミンB6の助けが必要ですのでビタミンB6が多い食品を取り入れる必要があります。
バナナはカツオと同様にトリプトファンが多く含まれ、ビタミンB6も同時にとれる食品です。
ホルモンと同じ働きがある!?ビタミンもしっかりとろう
ビタミンの種類は豊富ですがそれぞれに重要な働きをしてくれています。ビタミンが持つすごい力が解明されてきて、ビタミンAやビタミンD3にはホルモンと同じ働きがあるといわれています。
<ビタミンA>
皮膚や粘膜の健康を守る働きがあり、ほぼ全身の粘膜を守ってくれています。暗いところでも見えるように視力を保ってくれたり免疫力のアップを促す働きがあることがわかっています。
<ビタミンC>
抗酸化作用があり、老化の元凶「活性酸素」から守ってくれます。また、コラーゲンを作る働きもあります。
<ビタミンD>
体内で活性型ビタミンDに転換され、カルシウムとリンの吸収をサポートして骨や歯を丈夫にします。
<ビタミンE>
女性ホルモン「エストロゲン」の分泌に関わっています。ビタミンEを多く含む魚介類はエストロゲンを増やす食品です。
<ビタミンB6>
セロトニンやメラトニンの分泌に欠かせないビタミンB6はドーパミンの暴走を止める調整役のセロトニンの産生には必須のビタミンです。
ビタミンB6の一部は腸内細菌によって作られますが、不足しないようにするには食品からきちんと摂取することが必要です。
アフター更年期の女性に必須のビタミンとは
アフター更年期の女性に必須のビタミン、それは葉酸です。
葉酸もビタミンの仲間で赤ちゃんの先天性疾患を防ぐために大切なビタミンなので、妊娠を望む女性はサプリメントで補うことが常識になっていますよね。
アフター更年期の女性にもぜひ摂取してほしい理由は、葉酸が不足するとホモシステインという物質が過剰になり動脈硬化の原因になるからです。
更年期前はエストロゲンの恩恵を十分受けることができ血管も柔軟ですが、アフター更年期を迎えると、エストロゲンの助けがなくなり動脈硬化のリスクが高まります。
日本人は葉酸を豊富に含む緑黄色野菜の摂取が少ない傾向にあるため、葉酸が不足気味の女性が多くなりがちです。このため、サプリメントでの摂取が勧められています。
サプリメントでとる場合は、過剰摂取にならないように1日の用量を守ることは言うまでもないことです。
まとめ
毎日の食事は健康の源です。はい、わかっています、、、よね?
でも毎日100%バランスのいい食事を作って食べるなんてことは、専門家でもない私たちにとってはなかなかできることではありません。
たまにバランスの悪い食事をしたっていいじゃありませんか。体によくないとわかっていても食べたいものは食べたいでしょ?
それもありです。でも何の知識もなくただ食べたいものを食べるのと、きちんと理解したうえで食べるのとでは勝手が違ってきます。
「この食材はホルモンの分泌を整てくれる」とか、「ビタミンって大切なんだ」と知っているだけで食生活への意識が変わってきます。
そう意識することが習慣になってくると、自然と体によくないものは口にしなくなってくるものです。
ひとつひとつの食材の働きを覚える必要はないと思いますが、大まかな栄養バランスを意識するだけで年齢を重ねた体にやさしい食事ができるのではないでしょうか。
60歳 70歳 80歳とずっと健康でいきいきと過ごしましょう。
それでは
どうぞお元気でお過ごしください。